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かっぱラクガキ帳

ごはんがおいしい日々を

小説:変更される組織

まえがき

このテキストはフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。

本編:「変更される組織」

規模の大小を問わず、会社という存在はある傾向をもつ。すなわち、「組織変更が、好きか嫌いか」という軸だ。

それぞれさらに、理由によっておおまかに二分割することができる。つまり四象限での分析が可能ということだ。さあ、読後はみんなも自分のいる場所を分析してみよう。

「嫌い x 不要」

まずは「嫌い:不要だから」型。歴史があって、大きめの会社に多い。

組織変更はめったに行われない。なぜなら不要だから。事業や業務で変更する必要があっても、人を動かすだけで済ませてしまう。

縦割りによるセクト化やスキルの伝承阻害など、弊害も多くある。しかしそれも、組織の大きさで乗り切ってしまうことが多い。弊害によって発生するロスも織り込めるほどの事業規模があれば、さしたる問題にはならない。

「嫌い x 必要」

次は「嫌い:苦手だから」型。組織変更は滅多に行われないが、現場としては適切な変化を求めている。その結果、組織の垣根を越えた柔軟な業務体制が構築されたりする。いわゆる「運用でカバー」ってヤツだ。

最適な組織のかたちを追求するリソースやノウハウが不足すると、このタイプになりがちだ。業績がよく現場がうまく回せているならまあいいのだが、なにか不具合が出てくると、歪みが金属疲労のように蓄積してくる。そしてあるとき、破断の瞬間がやってくる。いきなり大きな組織変更をしてしまうのだ。

歪みを一発で修正できれば、明日からも楽しく仕事ができる…のだが、苦手として避けてきたことをぶっつけ本番でやっても、だいたいうまくはいかない。しばらくの混沌のあと、また硬直が訪れ、現場が運用でカバーする…というループが、目に浮かぶようだ。

「好き x 必要」

さて、「好き」方向も見てみよう。まずは「好き:変化に対応するため」型。業務や事業、周辺環境の変化に対応するためなら、組織のかたちを柔軟に変えていくタイプの会社だ。スタートアップマインドが残っているところに多く見られる。

組織変更による従業員の混乱やコンテキストスイッチというコストを支払ってでも、全体最適を目指すということなので、属人的な向き不向きがある。変化を好まないマインドを持った人は、ついていけずストレスを感じるだろう。

また、変更を設計する人の能力に大きく依存するので、このポジションに「勤勉な無能」が就いてしまうと目も当てられない。

会社も従業員も変化を当然として受け入れるマインドと能力が要求されるため、いろいろとハードルが高い。しかしうまくマッチすれば、常に最適な構造で事業を推進できるという強みになる。

「好き x 不要」

最後は「好き:打ち手として」型。経営者にワンマンな人物がいると、ここに当てはまりやすい。

事業が計画どおりに進まないとき、何らかの手を打つのが経営者の仕事だ。打ち手としての選択肢はたくさんあるが、コストやリスクを考えると、なんでもやってみる、というわけにはいかない。

そういうとき、経営者がいちばん安く早く「手を打った感」を得られるのが、組織変更なのだ。

なにせコストは席替えとか名刺とか小さなものばかり。従業員は黙って従うし、新しいミッションに心機一転取り組むから、業績もV字回復!いいことだらけじゃないか!

…という幻想のもと、今日も彼の名刺は新しい肩書きに書き換えられるのだ。お疲れ様。

まとめ

さて、これで四象限のマトリクスができた。あなたの所属する組織は、どこに分類できるかな?

あとがき

繰り返すが、このテキストはフィクションだ。私が現在および過去に所属した組織とはなんら関係がないことを、重ねて強調しておく。

ちなみに

初出は、ビールを飲みながら歩く帰路にiPhoneFacebookに投稿した雑文。某フリーランスプログラマな人に「こういうのブログにまとめてほしいです!」というコメントをもらったので、誤字脱字などを微調整して投稿してみた次第。

繰り返しますがフィクションですからね!!!